長持ちで手入れが楽。数ヵ月で青畳が黄色くなるイ草と違い、色が殆ど変わらない。醤油をこぼしても水拭きすればシミにはならない。ダニもわかない。
一般家庭なら8年はもつ。畳替えの価格(手間賃込み)は当時、1畳1万円以上で、7千~1万円程度の国産イ草製に比べ、やや高め。でも長持ちするので競争力は十分あるはずだった。
だが実際には、一般の持ち家の場合、表替えの頻度は平均で9年に一度が実態。普及は簡単ではなかった。
「旅館の宿泊客から大手旅行会社に『畳が古い・汚い』という苦情が多い」という情報が多く寄せられている。
95年夏、営業スタッフの一人がこんな情報をつかんだ。
旅館の大広間用などに「いつまでも青畳のまま」と売り込めると考えた。
若手営業マンたちが全国の温泉街をくまなく回った。旅館1軒で何百畳という契約を次々に取った。業務用畳の販路が大きく広がり、今でも売り上げの半分を占めるまでになった。
カビやダニの発生に悩まされているという大手ハウジングメーカーには説明会を徹底的に行い、ユーザーは拡大し続けている。
湯郷プラザホテル様(岡山県 湯郷温泉)