容器コラム/高純度薬液の保管、輸送に最適なクリーン容器とは
高純度薬液は半導体製造や電子材料の分野で欠かせない重要な薬液です。これらの薬液を適切に保管し、輸送するためには、クリーン容器の選定が非常に重要です。クリーン容器とは、異物パーティクルが管理された生産環境で製造され、金属成分などの溶出の少ない原料を使用した容器のことです。本ページでは、高純度薬液の保管と輸送に最適なクリーン容器について解説します。
高純度薬液の特性と保管・輸送の課題
高純度薬液は非常に高い純度を保つ必要があり、微細な不純物が製品の品質に大きな影響を与えます。製造過程から最終使用までの一貫した品質管理が不可欠です。
不純物の混入防止
高純度薬液は微量の不純物でも品質に影響を与えるため、容器の選定や取り扱いにおいて不純物の混入を防ぐことが重要です。密閉性の高い容器を使用し、取り扱い時には清潔な環境を保つことが求められます。
環境管理
高純度薬液は環境変化にも敏感であることが多く、薬液の性質に適した温度や湿度、光などの輸送、保管環境管理が必要です。
輸送時の振動や衝撃への対応
輸送中の振動や衝撃は薬液の品質、安全な輸送、保管に影響を与える可能性があります。耐衝撃性に優れた素材を使用した容器や危険物輸送規格(UN規格)を使用して輸送中のリスクを抑える必要があります。
クリーン容器の選び方
1.材質の選定
クリーン容器の材質は、薬液との相性が重要です。薬液に対して化学的に安定であり、また容器原料由来の溶出成分などで薬液を汚染しないことが重要です。
2.異物パーティクルの管理
クリーン容器は異物パーティクルが管理された生産環境で製造される必要があります。これにより容器からのコンタミネーションを防ぎ、薬液の品質を保つことができます。薬液の種類によってはさらに容器を洗浄してから使用される場合もあります。
3.容器の設計と構造
容器の設計には密閉性や強度、取扱いのしやすさ、薬液の残液低減など工夫が必要です。また高純度薬液には危険物に該当する薬液も多く、その場合には危険物輸送の基準に合格した強度の容器の選択が必要です。
4.サイズと容量の選定
ラボサイズから量産サイズまで使用する薬液の量や輸送方法に適切なサイズ、容量の容器を選択することが重要です。薬液の開発段階から量産を想定し量産時と同じ材質の容器選定をすることで、量産時の容器評価が短縮されることもあります。
セキスイのクリーン容器
1.クリーンなポリエチレン原料
セキスイのクリーン容器の内面には金属溶出の少ないクリーンなポリエチレン原料を使用しています。ポリエチレンは各種薬液への耐性も強く、安心してご使用いただけます。
2.パーティクル、異物管理の徹底
積水成型のクリーン容器工場は徹底したクリーンな環境で運営されています。生産される容器の清浄度は、例えば200Lドラムの場合で0.5μmのパーティクルが10個/ml以内の管理で生産されていいます。
3.UN規格(国際的な危険物輸送規格)対応や残液低減など優れた設計力
危険物輸送に必要なUN規格に対応した容器を1L以下のクリーンボトルから200Lサイズのクリーンポリドラムまで各サイズでラインナップしています。また容器設計力で薬液の残液低減など、お客様の課題を解決します。
4.クリーンエネルギーでの生産
GHG排出低減を目指し積水成型の工場では製造時に使用する電力の再生可能エネルギーへの変換を進めています。
2025年4月より100%再生可能エネルギーでの生産を予定しています。